7月 9, 2025
残存機能を生かした更衣介助のコツ
介護士が更衣介助を行う上で忘れてはならないことは、利用者ができるだけ自立して行動できるよう支援することです。特に、残存機能を生かすことはこの目的達成において欠かせません。まず、何よりも利用者のできること、自分で行える範囲を把握することが大切です。人によってできることとできないことが異なるため、一人ひとりに合わせた介助が必要です。例えば、片方の腕は自由に動かせるが、もう片方が不自由な人がいる場合、自由に動かせる腕を最大限に活用して服を着る工夫が求められます。
次に、服装の選択にも気を配ります。ボタンやファスナーが大きいもの、マジックテープで留める服など、着脱しやすい服を選ぶことで、利用者が自分で着替えやすくなります。また、衣服の前後を区別しやすいデザインのものを選ぶことも、自立を促す一つの方法です。
利用者が自分でできることに挑戦できるよう、できる限りの時間を与えてください。急かされると、利用者は焦りを感じ、自分でやろうとする気持ちが失われてしまうことがあります。そのため、着替えには十分な時間を確保する必要があります。
また、小さな成功を積み重ねることが自信につながります。できたこと、上手にできたことに対しては、積極的にほめ言葉をかけるようにしましょう。自分でできることが増えるごとに、利用者の自立心も高まっていきます。
最後に、その人らしさを尊重することも重要です。どんな服を着たいか、どのように見せたいかについて、利用者の意見を聞き、それを尊重することで、彼らの自己決定権を支えることができます。自分の好みに合った服を自分で着ることができる喜びは、利用者のやる気や生活の質の向上につながります。これらのコツを活かし、利用者一人ひとりの残存機能を最大限に引き出しながら、彼らが自立した生活を送れるよう支援していきましょう。
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